2023-05-27
【掲載情報】角川「俳句」6月号(岩田奎句集『膚』(ふらんす堂))/「ホトトギス」6月号(稲畑汀子俳句集成読書会)
角川「俳句」6月号に岩田奎句集『膚』(ふらんす堂)について文章を書きました。
原稿を書いたあとで『膚』が第14回田中裕明賞を受賞し、「さもありなん」とはこのような場合に使う言葉なのだなと思いました。笑
創作物にとって作者の意図というのは邪魔な場合が多いでしょうが、幾重にも張り巡らされた意図を腑分けするように読むことができるのは、極上のエンタメともいえるのではないでしょうか。たいへん楽しませてもらいました。
絵の美女は永久の去際避暑の宿 岩田奎
一樽の腐る藍液羽抜鶏
蛇足ですが、私の第一句集『海藻標本』も同じふらんす堂から岩田さんと同じ23歳のときに刊行し、章立ても漢字一文字×3だったので、(能力の差は棚に上げて)懐かしくもありました。『海藻標本』は田中裕明賞創設前年の2008年刊行なので、すでに「一時代前」といったかんじですね。
* * *
「ホトトギス」6月号では、先日行われた稲畑汀子俳句集成読書会「わたしの汀子俳句 第一回 テーマ「音」」が収録されています。
がたと榾崩れて夕べなりしかな 稲畑汀子
鉦叩とはかすかにもはるかにも
本当に音で俳句を書いている作家だと感じました。
座談会で話せなかった内容については以前ブログにも書いたので、よろしければ。
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