2023-07-21
【掲載情報】「現代短歌」No.98 特集「寺山修司没後40年」に50句選と対談で参加しています。
「現代短歌」No.98は 「特集寺山修司没後40年」、赤い表紙がかっこいいです。
おそれながら、
・寺山修司50句選
・対談「寺山修司は寺山修司をいかに創作したか」今野寿美/佐藤文香
を担当しました。
50句選は寺山が見たら怒るだろうし、対談には個人的な雑談もまざっていますが(私は楽しかったですが……)、今野さんによる100首選、みなさんのご寄稿など、ほかに読みどころは多いのでご安心ください。
小走りに袂に柿をおさえ来し 寺山修司
されど逢びき海べの雪に頰搏たせ
銅版画に指紋のこして冬に去りき
わが撃ちし鳥は拾わで帰るなりもはや飛ばざるものは妬まぬ
パン竈にふくらむパンを片隅の愛の理由として堕ちゆけり
*
本当はこの役は、故澤田和弥さんがやるべきだった、と思っています。澤田さんは私の5歳上、早大俳研の先輩で、それはもう寺山のことが好きな俳人でした。大学3年生の秋に私が鬱になったとき「文香ちゃん、それは病院に行ったほうがいいよ」と言ってくれた、人生の恩人でもあります。浜松に呼んでもらったこともあるし、東京でもたくさんお酒を飲ませてもらいました。
元日のママン僕から洗つてよ 澤田和弥
縫ひ閉ぢられぬ夢がありけり修司の忌
句集『革命前夜』、『天の川銀河発電所 Born after1968 現代俳句ガイドブック』にて作品を読むことができますが、彼の仕事のごく一部です。現在、澤田さんの句文集刊行のためのクラウドファンディングが行われています。
よろしければ、ともに。
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夭折した俳人澤田和弥さんの句文集を出版します!
故 澤田和弥先輩
夏服に透くる緑や詩について 佐藤文香 『菊は雪』
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